見積もりのよしあしは、実績を振り返ることで明らかになると考えられる。実制作に移る前の段階で発注者に承認された金額と、プロジェクトが終わって実際に請求した金額を比較してみてほしい。見積もり内容に曖昧さはどれだけあっただろうか。
また、労力や時間といった金額以外のコストについても振り返ってみよう。
例えば、「追加見積もりの有無、タイミング、項目」「追加見積もりの発注者による諾否と、その理由」「最終請求金額と、制作前に承認された見積もり金額の差異」などを検討する必要があるのではないだろうか。
コミュニケーション面であまりよい結果とならなかったプロジェクトほど、過去を振り返
りたくないかも知れない。しかし、見積もりと実績の振り返りこそが、見積もり能力の
向上につながるので、必ず見積もりや実績の見直しは行うべきだと考えている。
制作者自身の価値についても自問自答するよい機会でもある。プロジェクト実施時の予算面で
の承認フロー、変更管理のやり方、追加見積もりについてどのようにして解決したか(話し合いの有無、追加費用の請求があったか、制作者側の費用持ち出しだったか)について、改善点がなかったか確認しよう。そして次回以降のプロジェク卜への教訓をリストアップするとよいだろう。